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2009年3月

2009年3月29日 (日)

シズコさん

エッセイストで絵本作家の佐野洋子が自身の半生を振り返りながら書いた母との確執小説です。明治、大正の時代ってすごく壮絶だったんだなと改めて思いつつ、母と娘の関係って今とあまり変わっていなくて、その辺りをズバッと書いてあって小気味よかったです。最後には著者のように母親とふれあうことができるならいいなぁと、希望が持てるようになりました。

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2009年3月22日 (日)

たまさか人形堂物語

不思議な味わいのある小説でした。扱っているのが人形だからでしょうか。少しミステリータッチでもある、連作人形修理推理小説です(ややこしい)。会社員をしていた澪が無理矢理継がされた小さな人形店は人形を売るだけでなく修理を請け負うことでなんとか経営を続けています。扱う人形はテディベアのようなぬいぐるみからチェコの操り人形、日本の文楽人形と幅が広く、人形に関する蘊蓄も読んでいて楽しかったです。人形を介して繋がる人々(職人やメーカーの人、人形マニア)のキャラクター造形が秀逸です。読み終わるのがもったいなく感じました。

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2009年3月21日 (土)

元職員

吉田修一は『悪人』以降、目が離せなくなっています。犯罪小説では『悪人』、『さよなら渓谷』、3作目の『元職員』と続いたので期待でワクワクでした。本が薄いので少しがっかりしつつ、あっと言う間に読み終えましたが大満足でした。栃木県の公社職員の片桐がバンコク旅行に行き、ミントという娼婦と過ごす数日間を描いているのですが、片桐の本当の姿が見えてくるというストーリーでした。タイに興味がなかった私ですが、貨幣価値があまりに違いすぎて金銭感覚が鈍るというくだりに反応してしまいました。あぁ買い物しまくりたい。

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2009年3月20日 (金)

治験

久々にのめり込む面白さでした。30才で独身の宮野という男が主人公です。定職につかずぶらぶらと自由に生きる「ま、いっか」が口癖のいい加減男がハローワークで声をかけてきたアメリカ人に誘われるまま、健康食品の通販ビジネスを始めます。しかし、顧客に不審死が続いていることから真相究明に立ち上がり、事件に巻き込まれていくというストーリーです。ハラハラドキドキのストーリーでした。

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2009年3月10日 (火)

星のしるし

柴崎友香の新刊、読みました。ヒロインは30才になる会社員の果絵です。取り立てて不満もない日常を過ごしていて、友人に囲まれ、恋人もいて家族ともうまくいっていて、仕事も順調です。その日常にちりばめられた不思議体験(謎の男カツオ、UFO目撃談、エイリアンが襲ってくる、占い、ヒーリング体験、祖父の死)はなんだかありふれた話で私にはぴんとこなかったです。祖父の死で不在の存在を感じるあたりは祖父の死があまりに大きすぎた私にはあてはまらないのですが、別の親戚に置き換えたらわかるかも…、でもだからなんやねんって。要するにこの小説、あまり好きではなかったです。

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2009年3月 9日 (月)

ハブテトル ハブテトラン

広島の方言で語られる少年小説です。主人公のダイスケは標準語で話します。東京の小学校で学級委員をしていた優等生、小学5年生のダイスケは色々な出来事から不登校になってしまい二学期を祖父母がいる広島の小学校に転校することになります。田舎の子どもたちとの交流もいいのですが、ハセガワさんを始めとする強烈なキャラクターの老人たちがととても素敵でした。優しいまなざしに守られているうちにダイスケは成長していきます。子どもも読めるさわやかな児童文学でした。

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2009年3月 6日 (金)

東京島

もしも無人島に漂着したら…なんて想像は何度もしたことがあるはず。でもこの本は少しもロマンティックじゃなかったです。無人島に漂着したのは31人の男と1人の女。たった一人の女清子は40代半ばで女としての価値はぎりぎりって感じで描かれています。そこでかなり不快感を感じました。男性陣のキャラクターもなかなか愛すべき人物が登場しないし、助けの船は来ないしで結末もイヤーな感じでなんだか気が滅入りました。

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2009年3月 4日 (水)

三月の招待状

3月に届いた招待状は学生時代の友人の離婚式の招待状でした久しぶりに集まる大学時代の5人の男女たちが主人公です。主婦の麻美は宇田男とデートをし、夫と別れた裕美子は合コンをしまくり、元夫の正道は10才年下の恋人を暮らしているが宇田男が気になっている。と、それぞれの日常が語られます。バブル期に学生だった世代と冷ややかに見つめる不況しか知らない世代間のギャップを描いています。

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